⚫︎ 消化器
肛門管 anal canal
・恥骨直腸筋付着部上縁から肛門縁までを指し(外科的肛門管),内肛門括約筋,外肛門括約筋,肛門挙筋(恥骨直腸筋,恥骨尾骨筋,腸骨尾骨筋)に囲まれる.
※解剖学的肛門管は歯状線から肛門縁までと定義される.
・内肛門括約筋は輪状筋が肥厚した不随意筋,外肛門括約筋は随意筋である.
・肛門挙筋の一つである恥骨直腸筋は肛門直腸角を形成しているため,排便調節において重要な役割を担う.
・歯状線より肛門側では重層扁平上皮となる.
■ 直腸・肛門管の解剖
【補足事項】
■ 腹腔(内)臓器と後腹膜臓器
・腹腔臓器は間膜で吊られている状態であり,可動性がある.
・一方,後腹膜臓器は腹壁の後ろに位置し,可動性が低い.
《主な腹腔臓器》胃,十二指腸球部,空腸,回腸,盲腸,横行結腸,S状結腸,肝
《主な後腹膜臓器》十二指腸(球部以外),上行結腸,下行結腸,直腸,大動脈,腎,尿管,膵,副腎 12,13
※体壁への固定が比較的弱い臓器は軸捻転症を起こしやすい.そのため,後腹膜臓器は軸捻転症を起こしにくいが,腹腔臓器は起こしやすい(参照A-108).