⚫︎ 消化器

小腸 small intestine


・十二指腸,空腸,回腸から成る,67 mの管腔臓器.

Kerckring皺襞(輪状ひだ),および絨毛により広大な吸収面積(約200 m2)を有し,消化・吸収を担う.A8

・空腸上部は特に粘膜が発達し,多くの栄養素の主な吸収部位となる.

・粘膜関連リンパ組織(参照F-3)の一つであるPeyerパイエル板が回腸末端に多く存在し,小腸免疫の主体を担う.A8

※その他,孤立リンパ小節が小腸に散在している.

1.十二指腸

・胃の幽門部からC字状にTreitz靱帯に至る,長さ2530 cmの管腔臓器.

・上部(球部),下行部,水平部,上行部の4つに区分される.

・球部以外は後腹膜に位置し,下行部は右腎門の前方に位置する.

・十二指腸壁内で主膵管(Wirsung管)と総胆管が合流し,下行部に存在するVater乳頭部で開口する.

・発生学上,腹側膵原基と背側膵原基との癒合が行われず,分割膵(pancreas divisum)が起こる部位である.

 十二指腸の解剖 A8

医療情報科学研究所 編:病気がみえる vol.1 消化器.第6版,メディックメディア,2020p.86より改変

 十二指腸の栄養血管 A11

・胃十二指腸動脈と上腸間膜動脈の枝が分布する.

・静脈は動脈とほぼ並行し,最終的に門脈へ流入する.

2.空腸・回腸

・小腸の中で,腸間膜を有する部位(腹腔臓器)である.

・十二指腸と空腸の境界線にはTreitz靱帯が存在する.

・空腸と回腸の間に明らかな境界線はないが,口側2/5が空腸,残り3/5が回腸とされる.

・上腸間膜動静脈に支配される.

【補足事項】

胃では嚥下した空気が胃泡として描出されるが,小腸に入った空気の大部分は吸収され,呼気として排出される.

腹部単純X線画像で小腸内に明らかなガス像があれば異常と考える〔正常例では小腸ガス像はほとんど認められない(胃・結腸内に少量ガス像をみるのみ)〕.

※大腸内ガスの大部分は腸内細菌により産生されたものである.

 小腸ガスと大腸ガスの鑑別 A96061 17